森の中心部に巨大な木があります。
ただ大きいというだけはなく、その太い幹には顔があります。
この木は物知りで、いろいろなことを教えてくれます。
また、ほんとかどうかわかんないですが、この大木はその気になれば自力で根を引っこ抜いて移動できるともいわれています。
「おおーーそこーーにいるのはーーーカイーンとーラディーーーーかぁ」
カインたちが近づくと、大木は間延びした声で話し掛けてきた。
「おじちゃん、おはよー。あのね……」
カインは大木に元気に声をかけました。森に変わった様子がないかいろいろきいてみました。
しかし、さすがの物知りにもわからないことがあるようです。
ほとんどこの場を動くことはないし、知覚できる範囲も狭いのでしかたないですが。
「ふたりともぉーーもしかするとぉーーーそれはにんげんーーというやつかもーーー
しれんぞーーーきをつけてなぁーー」
大木もあまり役に立つ情報はもってないようです。
さて、こんどはどこへ行きましょう？